第5回 節から芽が出る

 

  「節から芽が出る」という言葉があります。若い人には耳慣れない言葉だと思いますが、節から芽が出るとは,「思いがけない苦しみは、飛躍の契機となる」という教えです。

一つの目的に向かって、どうでもやり切る心を定め、精一杯努力していく過程には、必ずや暗いトンネルの中にいるような時期があるものです。

事実私の場合、日常の練習に録音を意識し、CD制作という目標に向かっての努力をしていくなかで、暗闇にも似たいくつかの大きな壁にぶつかりました。

しかし、この暗闇の中から抜け出ようと日夜苦しんでいる時に限って「大いなる

ひらめき」が降りてきたのを感じます。

 

 竹は節から芽が出ます。私の場合もこの大きな節にいると思うとき、いつも大きな芽生え(やり抜くためのヒント)があったように思います。 

それは、節に出会ってもくじけることなく「節から芽が出る」ような方策を精一杯考え抜いた結果と言えるでしょうか。

 

   ギターのことに限らず、どうでも目標を達成したいとそればかり念じ続けている時、偶然と思える幸運な出会いがあったり、突然すばらしいひらめきが起きて壁を乗り越えていたという不思議な経験をした人は多いのではないでしょうか。

「節から芽が出る」とは実に意味深い言葉であるばかりでなく、チャンスをつかむプラスの発想でもあるといえそうです。

                                       2105.02.01

                                                             吉本光男